軒天(のきてん)
屋根裏を守り外観を整える付帯部材
軒天(のきてん)とは、建物から伸びている屋根の裏側部分のことを指します。軒裏天井や軒天ボードとも呼ばれ、住宅の付帯部にあたります。住宅を外側から見上げた際に見える屋根の裏側が軒天であり、外観の美しさを保つと同時に、火災発生時には窓からの火の手が屋根裏へ侵入するのを防ぎます。また、軒天に軒裏換気口を設置することで、屋根裏内部の結露を防止することも可能です。
軒天の役割
美観・防火・換気機能の確保
軒天は建物の意匠性を高めるだけでなく、防火性能や換気性能を兼ね備えています。火災時には屋根裏への延焼を防ぎ、軒裏換気口と組み合わせることで湿気を排出し、結露やカビの発生を抑制します。
軒天の素材と特徴
耐久性と機能性に優れた材料選定
軒天には、ケイ酸カルシウム板、合板、金属板などが使用されます。ケイ酸カルシウム板は耐火性・耐水性に優れ、住宅に広く使用されています。合板は加工が容易でコスト面に優れますが、防腐・防水処理が必要です。金属板は軽量で耐久性が高く、メンテナンス頻度を低く抑えることが可能です。
軒天のメンテナンスと点検
長期的な性能維持のために
塗装の劣化確認
色あせや塗膜剥がれが見られたら再塗装を行う。
腐食・破損の点検
素材の腐食や欠け、割れがないかを定期的に確認する。
換気口の清掃
軒裏換気口にゴミやほこりが詰まっていないか点検し、必要に応じて清掃する。
軒天(のきてん)についてまとめ
外観と機能性を兼ね備えた住宅の重要部材
軒天は美観・防火・換気という3つの役割を持つ住宅の重要部材です。素材や施工方法を適切に選び、定期的な点検とメンテナンスを行うことで、長期間にわたり安全で快適な住環境を維持できます。
建物材質・種類 - 屋根各部名称
葺く
雨仕舞い
勾配
妻
切妻と寄棟
軒先
棟
庇
垂木
野地板
下葺き材
破風板
軒天
水切り板金
雪止め金具