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妻(つま)

屋根端部の壁面を指す建築用語

妻(つま)とは、屋根の形状において端部の壁面を指す建築用語です。特に切妻屋根においては、2枚の傾斜面が合わさった三角形の端部が壁になっており、その壁部分を「妻」と呼びます。この面は、屋根を正面から見たときには傾斜が見えますが、横方向から見ると屋根の傾斜面は見えず、代わりに妻壁と呼ばれる壁面が見える構造です。

妻壁の特徴と役割

風雨の防御と意匠性の両立

妻壁は、建物内部への雨風の侵入を防ぐ役割を担うほか、建物の外観デザインにも大きく寄与します。壁材や仕上げ方法によって耐候性や意匠性が変わり、漆喰塗り、サイディング張り、板張りなど様々な仕上げが採用されます。また、妻壁には通気口や窓を設けることもあり、小屋裏の換気や採光を補助する役割を果たします。

妻の語源と名称の由来

「端」から派生した建築用語

「妻」という呼び方は、端や縁を意味する「端(つま)」に由来します。物の端部や側面を指す言葉が、屋根端部の壁面にも転用されたものです。古くから日本建築においては、建物の正面や主要面に対して側面や端に位置する部分を「妻」と呼び、その呼称が現代まで受け継がれています。

妻壁設計・施工の注意点

耐候性・通気性・意匠性を考慮する

耐候性の確保

仕上げ材や防水処理により、風雨や紫外線から妻壁を保護する。

通気・換気機能

小屋裏や屋根内部の湿気を逃すため、妻壁に換気口を設ける。

意匠性の向上

外壁や屋根のデザインに調和する仕上げを選び、建物全体の美観を高める。

妻(つま)についてまとめ

機能と美観を兼ね備えた屋根端部の壁

妻は、屋根端部の壁面として風雨の侵入を防ぎつつ、建物の外観デザインに大きく影響を与える重要な部位です。語源は「端」に由来し、日本建築に古くから用いられてきた名称であり、現代建築でも多様な仕上げや機能を持って活用されています。耐候性・通気性・意匠性のバランスを考慮した設計と施工が、長期的な耐久性と美観の維持に繋がります。

建物材質・種類 - 屋根各部名称

葺く
雨仕舞い
勾配

切妻と寄棟
軒先


垂木
野地板
下葺き材
破風板
軒天
水切り板金
雪止め金具