ALC外壁(軽量気泡コンクリートパネル)
セメント・珪石・生石灰を主原料に高温高圧蒸気養生で製造する軽量気泡コンクリートパネルで、内部気泡により断熱・遮音性に優れ、無機質ゆえ耐火性が高い外壁材です。
パネル厚があり、サイディングのような薄板ではなく躯体とアンカー・金具で固定します。一般コンクリートより大幅に軽く、施工性に優れますが、素材自体は多孔質で耐水性が低いため、防水塗装と目地シーリングにより外皮の連続防水を成立させます。耐久目安は7〜10年スパンでの防水更新が前提、価格は7,000〜17,000円/㎡。デザインバリエーションは表面凹凸・塗装仕上げで確保します。
構造・防水・熱環境のポイント
パネル・金具・目地
パネル継手はシールで防水し、背面に通気層を設けて浸入水を排出します。開口・出隅・笠木取り合いの三次元納まりは特に入念に。アンカーの腐食・緩みは定期点検対象です。
断熱・結露・仕上げ
気泡による断熱効果は高いものの、表面防水が弱ると吸水→凍害の恐れがあるため、防水塗装の健全性を最優先で維持。室内側の断熱・気密と合わせて結露リスクを低減します。仕上げは弾性・高耐候塗料が適します。
典型的劣化と対処
目地シールの硬化・剥離、表面塗膜の白化・チョーキング、吸水に伴う膨れ・凍害剥離、アンカー部の錆。局所損傷は樹脂モルタルで補修し、面全体の吸水が進んでいる場合は高防水塗装で包みます。シールは高耐久品+増し打ち・打替えで更新します。
維持管理・費用・申請の視点
更新サイクルと費用感
防水塗装は7〜10年で更新、シールは同等周期で計画。費用は仕上げグレード・補修量・高所作業の有無で変動し、足場共用の同時工事(屋根・笠木・雨樋)で効率化します。
災害被害と申請
強風・飛来物・雹での欠け、目地破断、吸水凍害などが典型。損傷深さ・含水状況・アンカー健全性を調べ、表層補修で足りるかパネル交換かを判定。発生日と気象記録、立面ごとの被害分布を合わせると因果の説明が明瞭になります。
ALC外壁についてまとめ
軽量・耐火・断熱に優れたパネル外壁で、防水塗装と目地の健全性維持が寿命を左右します。通気・排水・アンカー点検を組み合わせた予防保全が有効です。
耐久の要は防水層の更新で、価格は7,000〜17,000円/㎡。更新サイクルを守ることで、凍害・吸水劣化を回避しやすくなります。
建物材質・種類 - 外壁材質
窯業系サイディング
金属系サイディング
樹脂系サイディング
木質系サイディング
モルタル
タイル
ALC