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モルタル外壁

セメントに砂・水を混合した左官材で、吹付け・コテ仕上げなど多彩な表情を作れる外装仕上げです。素材自体の防水性は低く、塗装で外皮を完成させる「塗膜前提」のシステムです。

モルタルは湿式で下地ラス・モルタル層・仕上げ塗材の積層から成り、質感に優れ、金属系と比べ表面温度が上がりにくい快適性があります。耐久は約30年、価格は6,000〜10,000円/㎡。ただしクラックを許容する素材のため、ひびの管理が最大のテーマとなります。凹凸仕上げは陰影が美しい反面、汚れが溜まりやすく、メンテ時の洗浄設計が重要です。

構成・仕上げ・防水の考え方

下地とひび割れ制御

ラス下地(木・軽量鉄骨)への付着と収縮・温度応力でクラックが生じます。誘発目地・サッシ周りの補強メッシュ、コーナービード、塗材の弾性化で抑制。構造由来の大きな動きは表面だけでは止められないため、原因対策が必須です。

塗材グレードと透湿性

複層仕上塗材や可とう形改修塗材により、微細ひびをブリッジして雨水浸入を抑制。透湿性を確保しつつ表面撥水を付与するバランスが重要です。仕上げはリシン・スタッコ・吹付けタイル・ジョリパット等が代表例です。

典型劣化と対処

ヘアクラック、構造クラック、チョーキング、膨れ、付着藻・カビ、漏水染み。0.3mm未満は弾性塗材で吸収、0.3mm以上はUカット・シール充填後に塗装で仕上げます。漏水は上流側の笠木・開口・配管貫通を含めて原因を特定します。

メンテナンス計画と費用

周期・項目・洗浄

10〜12年で再塗装を検討。弾性系・高耐候塗料を選ぶとクラック追従性と耐候を両立できます。高圧洗浄は下地状態を見極め、脆弱部は圧を落として実施。苔・藻はバイオ洗浄併用が効果的です。

コスト最適化と同時工事

雨樋・笠木・シーリング・屋根を同時更新し足場費を集約。凹凸仕上げは塗布量が増えるため見積の設計が重要です。雨掛かりの強い面は撥水クリアや防藻仕様を加えると再汚染が遅延します。

モルタル外壁についてまとめ

質感と意匠自由度が魅力の一方、クラックと防水を「塗装で成立させる」思想の維持が生命線です。原因対策・弾性塗材・誘発目地の組合せで長期安定を実現します。

耐久目安は約30年、価格は6,000〜10,000円/㎡。再塗装設計と漏水原因の上流対策を同時に行うことで、再発リスクを抑えられます。

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