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樹脂系サイディング

塩化ビニル樹脂(PVC)を主材とする軽量外壁材で、凍害・塩害に強く、衝撃にも強靭な特性を持ちます。国内では施工者の少なさから普及は限定的ですが、海外では一般的な外装材です。

樹脂特性により吸水が極めて小さく、ひび割れ・剥離が生じにくい点がメリットです。目地材を使わないインターロック方式の製品もあり、シール維持負担を低減できます。標準的な耐久は20〜30年、価格は8,000〜10,000円/㎡が目安。軽量ゆえ躯体負担を減らし、既存外壁の上からの重ね張りにも適します。

素材特性と施工の要点

耐候・熱伸縮と納まり

樹脂は熱膨張係数が金属・窯業より大きく、留め付けスロットへの釘打ちやスライド余裕を確保することで波打ち・突き上げを防ぎます。色は淡彩が望ましく、濃色は表面温度上昇に伴う熱伸縮影響が増大します。

通気・防水・下地

躯体側は透湿防水シート+通気胴縁で二次防水を形成。樹脂板自体は雨仕舞部材での処理(スターター・出隅・入隅・見切り・開口トリム)で排水連続性を確保します。軽量のため既存下地の不陸調整が仕上がり品質を左右します。

劣化症状と点検

紫外線による樹脂の硬化・脆化、表層チョーキング、割れ・欠け、反り。極寒地では低温衝撃に注意。塗装による表層更新が可能ですが、樹脂の可塑剤移行や付着性を考慮した下塗り設計が必要です。目地不要品でも役物接合部の隙間は定期確認します。

維持管理とコスト

清掃・再塗装・交換

年1回の水洗いで美観を保ち、粉体・藻の蓄積を抑制。再塗装は付着性に配慮したプライマーの選定が要。割れ・変形はユニット交換で対応し、同色確保が難しい場合は見切りでエリアを分けます。

費用最適化の視点

軽量で足場負担が小さく、カバー工法適性が高いことからトータルコストを抑えやすい材です。塩害・凍害地帯での耐久優位により、長期LCCで窯業・金属からの置換候補になります。

樹脂系サイディングについてまとめ

軽量・防水性・耐凍害性に優れ、目地レス設計が可能な点が強みです。熱伸縮への配慮と色選定、役物納まりの精度が長期安定の鍵となります。

耐久は約20〜30年、価格は8,000〜10,000円/㎡。国内では施工者の確保計画を先に立てると安心です。寒冷・海浜地域で特に合理的な選択肢になります。

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