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金属系サイディング

表面に塗装ガルバリウム鋼板・亜鉛メッキ鋼板・アルミ合金塗装板・塗装ステンレス鋼板などの金属板、裏面に断熱材を積層した軽量高耐候の外壁材です。軽さと強度、断熱パネル化による施工性が強みです。

金属板と断熱材(硬質ウレタン等)を一体化したサンドイッチ構造により、躯体の荷重負担を抑えつつ、高い断熱・遮音・耐衝撃性を実現します。ガルバリウム系はメンテナンス適性に優れ、海浜部などの腐食環境でも仕様選択と定期洗浄で長期使用が可能です。耐久の目安は約30〜40年、価格は5,000〜10,000円/㎡が一般的。軽量ゆえリフォームでのカバー工法にも適合し、既存外壁の解体を最小化できます。

性能とディテールの要点

防錆・塗膜・下地通気

金属である以上、もらいサビ(鉄粉付着)・切断端部・裏面結露の管理が重要。通気胴縁と透湿防水シートで背面結露を逃し、端部・開口部・ジョイントの水仕舞を徹底します。工場塗膜(フッ素・無機など)を選べば耐候・耐汚染性が向上します。

意匠と耐風・耐衝撃

縦張り・横張り、リブ形状、フラット・スパン調など意匠幅が広く、縦張りは排水に有利。強風地では下地ピッチ・役物固定力・端部増し留めの計画が重要。衝撃傷は補修塗装で目立ちにくくできますが、深い打痕は張替えが確実です。

典型的な劣化と点検

チョーキング、ヘアライン傷からの微小腐食、端部白錆、裏面結露由来のシミ、シールの硬化・剥離が代表。海浜部・工業地帯は付着塩分や粉塵の定期洗浄で寿命を伸ばせます。堅いブラシや研磨は×、年1回の清掃と5〜10年周期のシール更新が基本です。

メンテナンスと費用の最適化

更新計画の組み立て

小傷はタッチアップ、面状退色は再塗装(2,000〜3,800円/㎡目安)。断熱層の健全性を保つにはカバー工法時の下地平滑化・通気経路確保が要。役物(笠木・水切り・出隅)を同時更新すると雨仕舞の信頼性が高まります。

コスト・工期の考え方

軽量で施工が速く、既存下地を活かした重ね張りで解体コスト・工期を圧縮可能。付帯部(雨樋・庇・シャッターボックス)との色合わせを先に決めると、足場再設置の再発を防げます。海浜・寒冷地は仕様グレードを一段上げるとトータル寿命が伸び、結果的にLCCを下げられます。

災害時対応と申請の勘所

想定損傷と復旧筋

強風での浮き・外れ、飛来物打痕、雹痕、塩害進行など。パネル一枚単位での交換が容易で、同柄・同ロットの確保が困難な場合は見切りを活用した面補修に設計を切り替えます。裏面断熱材の損傷は断熱連続性の回復を最優先にします。

記録・積算のポイント

傷・打痕の向きと立地風向、近隣の同時被害、金属片付着など状況証拠を集め、経年劣化との線引きを明確化。笠木・谷樋・水切りの一体復旧を前提に数量計上すると、再劣化リスクの低い見積が作れます。

金属系サイディングについてまとめ

軽量・高耐候・高断熱で、リフォーム適性が高い外装材です。弱点は金属特有の腐食と傷への配慮で、通気・端部処理・定期洗浄を組み込んだ維持設計が鍵になります。

耐久は約30〜40年、価格は5,000〜10,000円/㎡。海浜・寒冷・工業地など環境負荷に応じて仕様を最適化し、役物を含めた一体管理で長寿命化を図るのが賢明です。

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