陸屋根(ろくやね)
陸屋根は、勾配を付けない(または極めて緩い)フラットな屋根で、屋根材の代わりに各種防水工法を用いて雨水をドレンへ排水する形状です。屋上利用とモダンな外観に適しています。
屋根面を生活・設備スペースとして活用でき、ルーフバルコニーや屋上庭園、物干し場、太陽光発電の架台設置など多目的に展開できます。雨水処理は勾配に頼らず、防水層と排水経路設計(ドレン位置・サイズ・予備ドレン等)で成立するため、仕様選定と維持管理が性能に直結します。代表的な防水はアスファルト防水、FRP防水、ウレタン防水、シート防水で、耐用年数や価格、メンテナンス周期がそれぞれ異なります。
防水工法別の耐久性・価格
用途・予算・下地条件(RC/木造など)に応じて最適な防水仕様を選定します。
【耐久性】
アスファルト防水 約15年~20年程度
FRP防水 約10年~13年程度
ウレタン防水 約10年~13年程度
シート防水 約12年~15年程度
【価格】
アスファルト防水 5,500円~8,000円/㎡
FRP防水 4,500円~7,000円/㎡
ウレタン防水 5,000円~7,000円/㎡
シート防水 4,000円~7,500円/㎡
メリット
屋根を「使える面」に変えることで、暮らしと設備の自由度を高めます。
1. 屋上利用のしやすさ
平坦で歩行性が高く、清掃・点検・荷物搬入が安全に行えます。屋外プライベート空間の構築にも最適です。
2. 太陽光発電に有利
広い有効面積に自由なレイアウトでパネルを設置でき、方位や仰角も架台で調整可能です。
3. モダンな外観
直線的なファサードをつくりやすく、都市型・RC造の建築デザインと相性抜群です。
デメリット
排水不良と防水層の劣化を想定した維持管理が不可欠です。
1. 水が溜まりやすい
ドレン詰まりや局所的な水たまりは雨漏りの主因。定期清掃と予備ドレン計画が重要です。
2. 汚れやすい・劣化促進
砂埃や落葉が堆積しやすく、紫外線・熱で防水層が劣化。トップコート更新が必要になります。
3. 積雪対応が必要
雪が自然落下しないため、降雪地では荷重設計・雪下ろし・融雪排水の計画が求められます。
陸屋根についてのまとめ
屋上の活用・発電・メンテ性に優れる一方、防水・排水・点検計画が寿命を左右します。
用途・予算・躯体条件に適した防水仕様を選び、ドレンや立上り、入隅・出隅の納まりを丁寧に設計・施工することが肝心です。竣工後は定期清掃と点検、トップコート更新をルーチン化し、長期にわたって屋上の価値と建物の防水性能を維持しましょう。
建物材質・種類 - 屋根形状種類
R屋根
のこぎり屋根
バタフライ屋根
寄棟屋根
腰屋根
腰折れ屋根
差し掛け屋根
招き屋根
切妻屋根
棟違い屋根
入母屋屋根
半切妻屋根
片流れ屋根
方形屋根
陸屋根