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のこぎり屋根

のこぎり屋根とは、のこぎりの歯のようにギザギザとした三角形が連続する屋根形状を指します。垂直部分に採光用の窓を設けることで、室内に均一で柔らかな自然光を取り込めるのが特徴です。採光面を北向きに配置すると強い直射日光を避けつつ安定した明るさを確保でき、工場建築で広く採用されてきましたが、近年はコストや施工難易度の観点から採用例が減少しています。

【屋根材別の耐久性】
和瓦・洋瓦 約50年~100年程度
スレート瓦 約10年~20年程度
ガルバリウム鋼板 約25年~35年程度

【屋根材別の価格】
和瓦・洋瓦 8,000円~13,000円 / ㎡
スレート瓦 4,000円~6,000円 / ㎡
ガルバリウム鋼板 5,000円~10,000円 / ㎡

のこぎり屋根の主な特徴

対象となる建物や利用シーン

のこぎり屋根は、工場や作業場で日中の照明使用を抑えられるよう設計された屋根形状です。垂直面の窓から取り込む拡散光により、室内の明るさが安定し、作業効率の向上に寄与します。近年はコストや施工性の課題から採用が減った一方で、デザイン性やパッシブデザインを重視する住宅・公共施設・アトリエ等で再評価され、外観の個性付けにも活用されています。

屋根材別の耐久性と価格

和瓦・洋瓦

耐久性:約50年~100年程度/価格:8,000円~13,000円 / ㎡。重厚感と長寿命が特長ですが重量があるため、構造計画や耐震性の配慮が必要です。

スレート瓦

耐久性:約10年~20年程度/価格:4,000円~6,000円 / ㎡。コストは抑えやすい反面、定期的なメンテナンスや塗装が前提になります。

ガルバリウム鋼板

耐久性:約25年~35年程度/価格:5,000円~10,000円 / ㎡。軽量で耐食性に優れ、のこぎり屋根の大きな屋根面でも荷重を抑えやすいのが強みです。

のこぎり屋根のメリット

1. 自然光の有効活用

垂直面の窓から安定した自然光を取り込み、日中の照明使用を抑制。光熱費の削減が期待できます。

2. 作業環境の改善

均質で柔らかな光は視認性を高め、長時間作業時の疲労軽減に寄与します。

3. 高いデザイン性

連続する山形の外観は強い個性を演出し、住宅や商業施設でも意匠的なアクセントになります。

のこぎり屋根のデメリット

1. 施工難易度と対応業者の限定

形状が複雑で、設計・施工いずれも高い技術が求められます。対応できる業者が限られ、工期や費用に影響します。

2. コスト増加の傾向

屋根面積が広くなるため、材料費・施工費が一般的な屋根より高くなりやすい構造です。

3. 雨仕舞・防水の難しさ

窓まわりや折れ部などの接合部が多く、防水処理の劣化が雨漏り要因となりやすいため、定期点検と早期補修が不可欠です。

保険・維持管理の観点

屋根材選定と点検計画の重要性

火災保険・地震保険における評価は屋根材の特性に左右されます。瓦は長寿命ですが重量があり、ガルバリウム鋼板は軽量で耐震性に優れる反面、耐用年数は瓦に劣ります。のこぎり屋根は開口部やジョイントが多いため、台風・豪雨時の損傷リスクに備え、年次点検やシーリング更新など計画的な維持管理が必要です。

のこぎり屋根についてのまとめ

のこぎり屋根は、自然光を効率的に取り込みつつ個性的な外観を実現できる屋根形状です。

かつて工場で定番だった合理性は、現代でも省エネやデザイン性の観点から有効です。一方で、施工難易度やコスト、防水維持の手間といった課題もあるため、用途・予算・メンテナンス計画を総合的に検討し、適切な屋根材選択と信頼できる施工体制で臨むことが重要です。

建物材質・種類 - 屋根形状種類

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