バタフライ屋根(ばたふらいやね)
バタフライ屋根とは、2枚の屋根面を中央に向けて傾斜させたV字形状の屋根で、切妻屋根を裏返したような形状です。中央の谷やダクトに雨水・雪解け水を集めて排水する構造のため、降雪地域で多く採用され、周囲への落雪を抑制できます。屋根材は軽量で施工性に優れる金属(例:ガルバリウム鋼板)が選ばれることが多く、断熱・防露計画と併せて設計します。
【屋根材別の耐久性】
和瓦・洋瓦 約50年~100年程度
スレート瓦 約10年~20年程度
ガルバリウム鋼板 約25年~35年程度
【屋根材別の価格】
和瓦・洋瓦 8,000円~13,000円 / ㎡
スレート瓦 4,000円~6,000円 / ㎡
ガルバリウム鋼板 5,000円~10,000円 / ㎡
バタフライ屋根の主な特徴
対象となる建物や利用シーン
中央谷部で雪解け水を集水・排水できるため、敷地外や歩道側へ雪を落とさない計画が可能です。住宅のほか、公共施設・商業施設でも安全性向上の目的で採用されます。
設計の要点
勾配・排水・融雪設備の計画
水が集中する中央谷部は、十分な勾配と断面、ドレン径の設定が不可欠です。降雪荷重に耐える小屋組み、熱伸縮を考慮した金属屋根の固定方法、一次防水+二次防水の多重化、凍結・目詰まり対策(ヒーターやストレーナー)を前提に計画します。
メリット・デメリット
メリット
雪下ろしの負担を軽減/周囲への落雪・氷柱落下の抑制/中央集水により樋ルートを合理化/低背でモダンな意匠が実現しやすい
デメリット
雪荷重が谷部に集中し構造設計がシビア/排水詰まり・凍結時のオーバーフローリスク/屋根面積・部材増によりコスト上昇傾向
維持管理と保険の観点
点検・清掃と屋根材選定
谷樋やドレンの定期清掃・点検は必須です。軽量なガルバリウム鋼板は耐震性に優れますが、防露・塗膜維持のための年次点検が前提です。瓦は長寿命だが重量が大きく、雪荷重との相乗に留意します。
バタフライ屋根についてまとめ
落雪抑制と中央集水の合理性に優れる一方、谷部の防水・排水・荷重対策が成否を左右します。
用途・地域条件・予算を踏まえ、適切な屋根材選定と維持管理計画を整えることで、安全性と意匠性を両立できます。
建物材質・種類 - 屋根形状種類
R屋根
のこぎり屋根
バタフライ屋根
寄棟屋根
腰屋根
腰折れ屋根
差し掛け屋根
招き屋根
切妻屋根
棟違い屋根
入母屋屋根
半切妻屋根
片流れ屋根
方形屋根
陸屋根