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陸屋根(シート防水・FRP・ウレタン防水・アスファルト防水)

陸屋根(りくやね)とは、屋上部分が平らに設計された屋根形状のことを指します。建物上部がフラットな構造となっているため、「フラット屋根」や「平屋根」とも呼ばれます。

完全に平らに見える陸屋根でも、実際には雨水を排出するためのわずかな勾配が設けられており、排水不良による漏水や劣化を防ぐ構造となっています。

陸屋根の主な特徴

屋上空間の有効活用や点検・修繕のしやすさが陸屋根の魅力です。

屋上庭園、太陽光パネル、防災備蓄スペース、物干し場など、多目的な活用が可能です。点検がしやすく、修繕計画も立てやすい一方で、排水設計や施工品質が不十分だと漏水リスクが高まるため、定期的なメンテナンスが不可欠です。

防水工法の種類と選択肢

● シート防水

合成ゴムや塩ビシートを貼る工法で施工が簡単。耐候性や施工性に優れ、ビルやマンションでよく使用されます。

● FRP防水

ガラス繊維強化プラスチックを用いた塗膜防水で、硬化後は高強度・高耐水性を発揮し、歩行も可能です。

● ウレタン防水

液体ウレタンを塗布する工法で、複雑な形状や既存の防水層の上からの施工に適しており、改修現場で多用されます。

● アスファルト防水

アスファルトを含浸させたシートを重ね貼りする工法で、歴史が長く、耐久性の高い防水として公共施設などでも使用されています。

耐久性と価格帯の目安

防水性能の維持には定期的な点検と更新が必要です。

耐久性はおおよそ10年〜15年程度が目安で、防水層が劣化すると漏水トラブルが発生しやすくなります。価格は1㎡あたり4,000円〜9,000円程度で、防水工法や建物の条件によって変動します。

メリット

● 屋上スペースの活用

庭園や太陽光発電などに活用でき、建物の機能性を向上させます。

● 点検・修繕が容易

フラット構造により、安全かつ効率的にメンテナンス作業を実施できます。

デメリット

● 漏水リスクがある

排水不良や施工不良があると雨水が滞留し、漏水の原因になります。

● 定期的な防水メンテナンスが必要

防水層の劣化を防ぐためには、計画的な点検と再施工が必要です。

陸屋根についてのまとめ

陸屋根は屋上の有効活用や外観デザイン性に優れており、現代建築で広く採用されています。

ただし、防水工法の選定や定期的な維持管理が建物の耐久性に直結するため、施工精度とメンテナンス体制が重要です。用途・構造・予算に応じた適切な防水設計により、安全で長寿命な屋上空間を実現できます。

建物材質・種類 - 屋根素材

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陸屋根