地震火災費用保険金

地震・噴火・津波など地震由来の災害に伴う火災で、建物や家財が所定の焼損基準（例：半焼・全焼）に該当したときに、保険金額の一定割合（代表例：5％、上限300万円）が支払われる費用保険金です。

通常の火災保険では「地震を直接の原因とする損害」は補償対象外ですが、多くの保険商品で本費用保険金が用意され、地震後の延焼に伴う被害へ一定額で備えることができます。対象建物が地震や津波で先に滅失した後の火災は原則対象外である点に注意が必要です。

支払対象と主な要件

半焼（目安20％以上）や全焼に該当する建物、建物の焼損基準に連動して判断される家財が対象です。

地震・津波・噴火に起因する火災で、契約建物が半焼以上または全焼に該当すること。

家財契約が付帯され、建物側の焼損が所定の基準（半焼以上など）に該当することを前提に、家財の損害が認定されること。

対象建物が地震・津波で先に滅失した後に発生した火災／地震と無関係な電気的事故や放火等／契約の対象外の場所・物への損害。

保険金額の一定割合（例：5％）で定額的に支払い、上限額（例：300万円）が設けられるのが一般的です。

建物・家財をそれぞれ契約している場合、各保険金額を基礎に算定するのが通例です。

定額枠とはいえ基礎となる保険金額が小さいと受取額も小さくなります。建物評価・家財評価の見直しが重要です。

罹災証明や消防のり災証明、被害写真、修理見積書など、客観資料で焼損の程度と原因を立証します。

罹災証明（原因・区分の記載）、消防のり災証明、全景〜各室〜部位〜細部の写真、修理見積、契約関係書類。

片付け前に時系列で撮影し、日付・場所・撮影者をメモ。家財は品目・数量・配置が分かるよう記録します。

安全確保→事故連絡→記録・撮影→証明書取得→見積作成→調査対応→支払い、の順で進めます。

①安全確保・二次災害防止
②保険会社へ連絡
③被害の記録
④罹災・り災証明の取得
⑤見積整備
⑥損害調査対応
⑦支払い。

原因が「地震由来の火災」であること、焼損が半焼以上であることを、書類と写真で矛盾なく示すことが重要です。

焼損割合が基準未満、地震と無関係な火災、対象外の場所・物、滅失後の火災などは支払対象外です。

地震・津波で先に滅失→その後の火災
電気的事故のみで地震と因果なし
家財契約が未付帯
共用部など対象外領域。

原因・焼損度の立証と、契約の対象・保険金額の妥当性確認。申告内容と証拠の一貫性が鍵です。

参考純率の改定等を受け、支払要件・上限・文言整備など商品設計が見直されました。約款差異の確認が重要です。

同名特約でも細目が異なる場合があります。旧約款と新約款、対象外事由、上限額、焼損の定義を比較しましょう。

営業担当・保険会社窓口に「地震火災費用保険金の支払条件」「家財付帯の有無」「上限額と割合」を具体的に確認します。

地震由来の火災で半焼以上となった建物・家財に対し、保険金額の一定割合（例：5％、上限300万円）で支払う定額的な費用保険金です。

対象外事由や焼損基準、必要書類を早めに把握し、写真・証明書・見積の整合性を確保しましょう。家財の付帯と保険金額の適正化、更新時の約款差異の確認が、いざというときの受取額とスピードを左右します。