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基礎工事

建物の土台をつくり地面と建物をしっかり結びつけるための工事のこと。建物の重さや風・地震などの外力を地盤へ安全に伝え不同沈下や傾きを防ぐ役割を担う。

基礎工事は建物の安全性と耐久性を左右する最重要工程。施工精度が低いと不同沈下やひび割れなどの不具合を誘発し将来の修繕費が膨らむ。火災保険契約時に「建物」を保険対象とする場合基礎部分の取り扱いを選択できることがあるため加入前に約款や設計書の用語を確認するのが肝心。

基礎工事の主な種類

布基礎
壁や柱の下を連続的に支える工法。木造住宅で広く用いられコストと施工性のバランスが良い。

ベタ基礎
建物の下全面をコンクリートで覆い荷重を面で支える。不同沈下防止や湿気・シロアリ対策に有効。

杭基礎
弱い地盤で深部の固い地層に荷重を伝える工法。地盤が弱い地域で採用される。

独立基礎
柱ごとに独立して支える。小規模建築や機械基礎などで使用。

施工の基本工程

地盤調査
地耐力や地層を確認し基礎の適否を判断。

根切り
必要な深さまで地面を掘削。

地業
地盤改良や砕石敷きで支持力を確保。

配筋
図面どおりに鉄筋を組む。

型枠・打設
コンクリートの品質を管理しながら打ち込む。

養生・脱型
強度発現のための管理を行い型枠を外す。

品質を左右するチェックポイント

かぶり厚さの確保
鉄筋腐食を防ぎ耐久性を高める。

ジャンカや打継ぎ処理
水の侵入経路となる不良を防ぐ。

天端精度
基礎の高さ精度が上部構造の歪み防止につながる。

防湿・防蟻処理
湿気・シロアリ被害を防ぐ。

排水計画
外周の水はけを良くすることで劣化を防止。

基礎と保険の関係

火災保険の対象
契約条件により基礎を補償範囲に含められることがある。

地震による損害
火災保険では対象外だが地震保険では主要構造部として評価対象となる。

基礎を含めた契約のメリット
建替えや大規模修繕時に復旧費用をカバーできる。

よくあるトラブル

不同沈下
地盤不足や施工不良で建物が傾く。

ひび割れ
乾燥収縮・温度応力・荷重集中などが原因。

鉄筋腐食・爆裂
中性化や塩害で鉄筋が膨張しコンクリートが剥離。

漏水・湿気
カビ・シロアリ被害の原因になる。

凍害・浸食
寒冷地や海岸部で劣化が加速。

実務での活用例

被害確認
ひび割れ幅や位置を記録。

資料保管
配筋図・施工写真・コンクリート試験記録などを保険申請に活用。

原因特定
偶然事故か経年劣化かを区別。

復旧方法
ひび割れ注入、断面修復、基礎打ち替えなど被害レベルで選択。

保険請求のポイント

事故特定
発生日・原因・周辺被害を整理。

立証資料
専門家の報告書や測量データが有効。

請求順序
地震保険と火災保険の適用範囲を明確化。

費用対効果
軽微な損傷は補修で対応可能な場合も。

注意点

契約前
基礎の扱い、特約の有無、免責額を確認。

施工時
第三者検査や写真記録で品質確保。

維持管理
排水・防蟻対策を定期点検。

除外事例
経年劣化や施工不良単独は対象外。

大規模被害
傾斜や大きなひび割れは専門家判断を優先。

基礎工事についてのまとめ

基礎工事は建物の寿命と安全を決める最重要工程であり保険契約時の取り扱い確認と施工時の品質管理が肝心。

契約では基礎を含めた補償を検討し地震には地震保険で備える。見えない部分だからこそ最初の品質確保ともしもの備えが最大の安心につながる。